しやべる

悔やまない後の祭り

【小説】「水を抱く」石田衣良

 

目を細めて濁りきった水の先っちょを探す

 

官能小説じゃないのか、これは。ハプニングバーやら、SMバーやらが出てくる。ラブホテルが、もはやコンビニに見えてくるよ。

今、文字で打って初めて気づいたけど、ラブホテルの絵文字があるんだね。→🏩

これ使うカップルとかいるのかな。なんか生々しいけど…

 

世間では本を読むことは良いことだと推奨されている。本読んでるだけで褒められるのは有難い。漫画もゲームも小説も、全部楽しいことに変わりはないのに。反対に、青少年がみてはいけないものとして隠されるものもある。両者に一体何の違いがあるのだろう。少なくとも私は性の知識をガンガン小説から仕入れているのだが。

 

このお話を読んで、愛の程度をどう位置付けるか。他の男に、それも数え切れないほどの見知らぬ男に抱かれ、さらに殺人まで犯した女を異常だと思いながらも愛さずにはいられない男。

少女漫画に出てくるピュアな恋物語を純愛と表現し、こちらのほつれにほつれたドブのような関係性を同じように純愛と呼ぶのはさすがに厳しい。

しかし、自分の人生を投げ打ってまで人を想う気持ちは、どんな過程を経ようと清いものではないだろうか。

 

いつも思うが、このくらい重い過去がないと人は壊れることができないのか。自分の欲望を曝け出すことができないのか。昼と夜の温度差は人をここまで変えるのか、もしくは本性が突出しただけのことなのか。

 

ナギという女性に関しては、自分と同じ生物だというのが信じられないぐらいの衝撃を受けた。

許されちゃいけない、幸せになっちゃいけない、と暗示をかけながら自らを痛めつける。

私は人に甘く自分にもとことん甘くの精神で生きているから、自分を追い詰めることなんてできない。過去の話は大して深く語られないから詳しいことは分からないけど、なんでそうなっちゃったんだ。

ただ、この手の女性は小説映えする。現実にいたら目も当てられないが、本の中の登場人物である以上惹かれざるを得ない。

 

島波医師はとても良い味を出していた。権力を思うがままに振りかざす様は、恋の障害、悪役としては完璧であった。この人に絶対診てもらいたくない。怖すぎる。お願いだから、人の命を助ける職業の方は、歪まないでほしい。

 

誠司さんのことはずっとストーカーだと疑っていた。色々怪しかったし、変な人ばかり出てくるお話だったから、こいつも裏があるなと思っていたんだけど、ふつうにいい奴だった。結局、伊藤さん色々失敗しちゃったけど、大丈夫かな。協力したばっかりに酷い目にあわなきゃいいけど…

 

梨香さんは主人公の感覚がズレていくのを示すために、出てきたような人。彼女もちょっとアブノーマルに片足を突っ込む。それは、誰しもがヤバイ欲望持っていることの表れ。すなわち、この小説においての普通は梨香さんなんだろう。この人基準で他の方々を見ると、溜め息が出るね。

 

こういう大人な小説は感想にすごく困る。読んでるだけなら別世界が垣間見えて面白いけど、実際には経験が無いことだらけだから、わけわからん。

毎日ブログを更新しようと思ってたのに、感想書くのが難しすぎて日を跨いでしまった。文章もごっちゃごちゃだし、読みにくい。すげーショック。

 

これも、もうちょっと大人になったら、読み返したい作品。毛ほども共感したくないけど。

ぶっ飛んだお話を読みたい人におすすめ。