しやべる

悔やまない後の祭り

【小説】「晴天の迷いクジラ」窪美澄

 

死ななきゃいいよ、クジラと一緒に迷って生きろ

 

Ⅰ. ソラナックスルボックス

 

母親が兄弟間の贔屓をし、祖母と対立する…胸糞悪いな。手のかかる子の方が可愛いってやつですか。運動会のシーンとかきつい。学校行事は恥ずかしいけど、見てほしさもあるからなあ。

性描写が面白い。なんでイヤフォンしてたんだろう?謎すぎる。相手の声、聴きたくないのかな?リズムに合わせて腰振ってるとかだったら楽しそうね。

自宅で浮気するのは、むしろ見つけて欲しいってことなのかな。別れを告げるのは嫌だけど、早くさよならしたいみたいな。隠れて浮気しないところがかえってきついよね。

 

Ⅱ. 表現型の可塑性

 

銅賞の少女が怖いです。少女じゃないだろ、ご立派にイヤミな女やってるよ。

ディープキスをお魚に例えるのは面白い。口の中で跳ねる魚いうと、シラウオ?踊り食いみたいな。

虐待・子供を捨てる話だから、ほんときつい。特に野乃花さんの場合は、両者とも苦しむやつだから、やるせないし。子供の甲高い泣き声って感情を容赦なく逆撫でるから、どうしようもなくしんどいよね。覚悟しっかりしてから、産まないといけんね。許してって言いながら産むのが、またね。読んでて、辛かった。

 

Ⅲ. ソーダアイスの夏休み

 

これもきっつい!休まる時がないです。マイナス感情フル稼働。

母よ、もうやめてくれ、束縛しないでやってくれ。これは、心も壊れますわ。自分を責めるのはいくらでも好きにやったらいいよ。でも、それを子供にまで押し付けるのはダメじゃんか。男の子と遊んだだけで産婦人科に連れてかれるとか、もうクソだからね。まじ、しんどい。

唯一の癒しが海老君と忍ちゃんだよ。もう王子様にしか見えない。ソーダアイスが魔法の杖かなんかに見えてきたよ。正子ちゃんを救ってあげてください。

ほんで、忍ちゃんは死んじゃうと。口が悪い女の子好きだったんだけどな。こうかんにっきとか可愛かったのにな。もう、鬱展開は嫌だ…

お父さんもさー、お母さんを心配させるなとか、どの口でモノ言うてんの。世間体気にしてばっかだし。正子ちゃんだって、めちゃめちゃ辛いに決まってんじゃん。どんだけ耐えてきたと思ってんの。ああ、しんどい。

 

Ⅳ. 迷いクジラのいる夕景

 

そして、重い過去持ちの3人(現在進行形でもあるけど)が合流。死ぬ前にクジラ見に行っとこ、って言う唐突で突飛な発想、好きですね。疲れた果てに、ふと思うことは素敵。

野乃花さんと正子ちゃんの会話が苦しすぎた。やめてくれよ、もう責めないであげてくれ…でも、正子ちゃんは紛れもなく正論を言っているし、その発言を絶対に曲げないでほしいよね。

お二人の陰にちょっと隠れた感あるけど、由人さんも相当きついよね。スヌーピーのぬいぐるみと仲良くね。

私もいい年こいて、クマのぬいぐるみが手放せない。安心するんよね、なんかぎゅってすると、熱を共有できるというか。一緒に棺に入るつもりである。

 

性描写が秀逸な作者です。他作品も読んだことあるんですけど、引き込まれる。あと、怒りや悲しみ、虚しさなどマイナス感情を絞り出すのが上手。一冊421ページを読むだけで、ずったずたに引っ掻き回されます。もうあれこれ言わない、とにかく読め!と言いたい作品です。